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【”それ”は何を見るのか】大今良時新作『不滅のあなたへ』が素晴らしい。

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これまた凄い新作が始まりましたよ。『聲の形』で大ブレークした大今良時先生の最新作『不滅のあなたへ』です。連載して間もない時期から早速色々な漫画の賞に選ばれ注目されている作品ですが、魅力は何と言ってもその果てしない世界観です。

とにかく素晴らしいです。面白い、面白くないの言葉で片付けることができない作品ですね。大今良時先生の作品で言えば、『マルドゥック・スクランブル』より重い話だなと思いました。『火の鳥』に似ているという声もありますが、分かります。現代版火の鳥を描くとこうなるんだろうなって感じです。

 

1巻の時点では全然話の全体像が見えなかったため記事が書けなかったんですけど、2巻でようやく少し見えてきたので今回はこうして記事を書くことにしました。

本当に2017年話題の漫画になりそうなので、今回はまだ読んでいない人向けに魅力やあらすじを紹介していこうと思います。それでは、行きますよ!

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 ”それ”は出会う、そして別れ成長する

それははじめ球だった。ただの球ではない。ありとあらゆるものの姿を写しとり、変化することができる。私は”それ”をこの地に投げ入れ観察することにした。それはしばらく石の姿になってすごした。暖かくなると今度はコケを写しとった。やがてこの地に雪が降り始めた。1匹のレッシオオカミが南方から現れ力尽きると___それはオオカミの姿になった。それは意識を獲得した。歩き方を知らなかったがすぐに再現することが出来た。動きがニブい。後ろ足から血が出ている。どうやら再現したオオカミが負傷していて傷口も複製したらしい。初めての不快感、初めての痛み。しかし20秒かけて回復。問題はない。それは歩きはじめた。初めて感じる風の冷たさや雪の匂いを覚えながらあてもなく。(『不滅のあなたへ』1巻冒頭より)

これがこの作品の冒頭です。吹き出しではなく、四角い枠を使った何者かの語りですね。

簡単に流れを書くと、”ある者”が”それ”を”ある惑星”に投げ入れ観察→”それ”は石に、そして雪に、そしてオオカミへと姿を変える、あてもなく何かを求めてって感じです。

正直ここまでだと全然話がわからないですよね。ここから物語は一変します。

(『不滅のあなたへ』1巻より)

”それ”があてもなく歩きたどり着いたのは1つの小屋。そこにいたのは1人の少年。

少年は”それ”が複製したレッシオオカミ(ジョアン)の飼い主です。少年は姿が変わらない”それ”に気付かず、”それ”と共に過ごします。村には少年以外の人はいません。みんなは外の世界を目指し帰ってきません。少年は”それ”と共に外の世界へと行くことを決心します。

 

そして、少年と”それ”は外の世界を目指し旅に出る。だが、そこにあったのは×印。少年の希望はことごとく崩れ落ちます。それでも希望を捨てたくなく、”それ”に話しかける少年。当たり前のごとく何も話さない”それ”。そして少年は気づく。

「僕は僕と会話をしてただけなんだ」

 

そして、遂に家に帰ることを決心する少年。”それ”はただ少年を見つめます。でも、家に帰ると少年はどんどん衰弱していき最終的に死んでしまいます。

そして”それ”は少年の思いを胸に、姿を変える。そしてまたあてもなく歩き始める。

 

『不滅のあなた』へのここが凄い!!

リアルで残酷な死生観

この作品は現在週刊少年マガジンで連載されていますが「本当に少年誌でいいの!?」ってくらい生き死にがリアルです。余裕で主人公かな?って人が死んでいく。正直、私は最初の少年もキーパーソンだと思っていました。死んでしまいましたけどね。

 

正直ここまでリアルにそして残酷に描くのはすごいなと思いました。大体の少年漫画はここまで人を切らないので。そういう意味ですごく挑戦的な作品だなと私は思いました。

でも、どうして人を死なせるだけでここまでのリアルさが出るのか、その秘密は”それ”にありますね。

 

”それ”は色々なものに姿を変えられ、驚異的な治癒能力を持ったいわゆる不死です。そして物語のスポットは”それ”に当てられていますね。つまり、死なない”それ”と死んでいく”周りの人間”。この対比がリアルさを際立たせているんですね。

 

冒頭で”それ”を投げ入れた者をナレーターとして使ったのも物語を客観視できて良かったですね。とにかく様々な工夫によりリアルさが際立っている作品です。

他の少年漫画が激アツなバトルものばかりやる中、ここまでシリアスな漫画をやるのはそれだけで凄いことだと思います。

 

やっぱり”人”を感じられる物語

大今良時先生の作品ってすごく人間臭いんですよね、それがこの作品にも見られます。

聲の形で見られた圧倒的な心理描写がこの作品でも生きています。感情移入してしまえば後から辛くなると知っていてもせざるを得ないんです。それくらい魅せられてしまいます。

主人公が人ではない何かであるため、余計に周りの人間の人間らしさが際立っているんですよね。すごく温かいです。

 

そして、描かれるのは人の優しさだけではありません。人の未知に対する恐怖、差別意識など色々な視点で”人”が描かれています。

それがどう”それ”に影響していくのか、それもこの作品の見どころですね。

 

1巻だけでは正直「あれ、なんかいつもの人間らしさがないなあ」と思いましたが2巻を読んで安心しました、あるじゃないですか、大今良時先生にしかできない表現が。

やっぱり”人”を描かせると随一ですよね。素晴らしいです。

 

底のない世界感、広がる未知

この漫画を読んで1番驚かされたのが世界観です。これが果てしないんですよ。

本当に物語が進めば進むほど謎は深まり、新たな土地、人も登場します。今からすでに私は「本当に畳めるの?」と心配していますが、それくらい半端じゃないです。

 

”それ”の秘密、この世界の広さ、観察者は外の世界の人間なのか、世界の文明の違いなど不思議な部分を挙げるとそれこそキリがないです。「本当にどうやって終わらせるの?てかこれ畳めるの?」って感覚ではハンターハンターと同じですね。笑

 

物語の壮大さで言えばここ最近の漫画の中では1番だと思います。ここまで広げた設定、展開をどう畳んでくるのか、今後の動きに期待ですね。

 

まとめ

いやあ、物凄い新連載。『聲の形』『マルドゥック・スクランブル』と言い、正直バケモノだなと思います。どの作品も本当にクオリティが高く、最高に面白いです。

今回の作品『不滅のあなたへ』も現在2巻しか発売されていないにも関わらず、ここまで話題になっています。あの年で凄すぎますよね。間違いなく、期待の星です。

 

聲の形とはまた違った面白さのある作品ですが、読んで損はないと思います。これは正直凄すぎる作品です。私も最新巻が発売され次第、速攻で買いに行きたいと思います。

2017年の漫画の話題についていきたいなら避けて通れない漫画だと思います。

私の中で『BEASTARS』と同じく期待している作品です。これからの展開に期待大!!

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