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まるで大人の絵本?オノ・ナツメ『逃げる男』を読んでみた感想を書く。

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「まるで絵本だな。人にはおすすめできないけど個人的には好きな作品かな。」

今回紹介するのはオノ・ナツメ先生の『逃げる男』という全1巻の漫画。

これからあらすじや読んでみた感想を書いていくんですけど、正直おすすめはできないです。かなり特殊な作品で、漫画というよりは大人の絵本という印象です。

 

そして全1巻ならではの深さもあり、文字として表すには難しすぎる作品かと思いましたが、今回はなるべく伝わりやすく紹介していきたいと思うので、どうか最後までお付き合いください。

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逃げた男、その先に見えたもの

「その森には子供にしか姿が見えないクマがいる。1日そのクマと過ごして無事に森を抜けられたら、なりたいものになれる。」

そんなおとぎ話を聞き、ある事情を抱えた1人の少女が森に入る。

そして、その森には絶滅したはずのクマが。彼女はクマを追いかける。

そしてたどり着いた山小屋。そこで彼女が見たものとは。

これ以上は壮大なネタバレになりそうなので書けないです。

イメージとしては帯にも書いていますが大人の寓話です。

あらすじだけ読むとファンタジーかな?と思うかもしれませんが、実際は現実的なヒューマンドラマに近いです。

 

セリフは少ないため、まるで絵本を読んだあとのような読了感でした。

本当にスラスラ読めば大体15分ほどで読了できますが、1コマ1コマの深さを味わっていく読み方をすれば1時間ほどかかるかもしれません。

そういう意味で評価が分かれる作品ですね。コマとコマの間の心情、セリフの重みなどを読み取れる人はおそらく高評価を。少年漫画を読むようにパラパラ読んでしまった人は低評価をつけてしまったかもしれませんね。

 

そういう意味でも読みづらい作品ではあるので万人におすすめできるタイプの漫画ではないです。でも全1巻で手は出しやすい作品かなと思いますので、興味を持った方は1度読んでみてもいいかなと思います。

それではあらすじや作品紹介はここまでとし、ここからは感想を書いていきます。

 

『逃げる男』を実際に読んでみた感想

見づらい。でも、どこか惹かれる絵

まず読んでいて感じたのは絵が少し見づらいということ。話は分かりやすいため、ストーリーを読み解く上で問題はありませんが、少し見づらいかなとは思いました。

でも、それと同時に「どこか惹かれるものがあるな」とも感じました。上手く言葉にはできませんが、味のある絵。

結構私好みだなと思いました。どちらかと言えばweb漫画家よりな絵柄です。

 

そしてもう一つ感じたのは魅せ方がすごく上手いなということ。

冒頭でも言いましたが、この漫画は本当にセリフが少なく絵で語るタイプです。

そのため絵の魅せ方、コマの使い方は最重要になりますが、この漫画はそれが本当に見事です。面白い魅せ方は1冊の中にいくつもありましたが、その中でも1番好きだったのがこの1枚絵。

作中のあるシーンなんですけど、この男の後ろ姿に何を感じるかは本当に人それぞれかと思います。自分が何を感じるのかは実際に作品を読んでみてください。

少しネタバレをするとこの男がタイトルでもある「逃げる男」です。

一体、彼が何から逃げていたのか。そしてこの後ろ姿は逃げているのか、前へ進んでいるのか。その答えはあなたの目で確かめてください。そして、このシーンを読んだときに気づくはずです、このシーンの魅せ方の素晴らしさに。

 

こんな感じで絵は正直キレイではないですけど、どこか味があっていい意味で目を引く絵柄です。私は昔からこういう絵柄になぜか惹かれてしまいます。

 

まるで絵本のような世界観

作品を通して感じたのはやっぱりこれです。本当に世界観がヤバイ(語彙力ない

読了感は漫画を読み終えたときとは少し違う感じがします。どちらかと言えば映画のあとに近いかもしれないです。何がここまでの世界観を作り出しているのかは私では説明できないんですけどね。

 

でも、おそらくコマとコマの間の余韻の持たせ方、そして絵から溢れ出る情景描写など全てが絡み合い完成されたというのが私の考えです。

文字にしたら本当に子供の絵本と同じくらい薄いストーリーかもしれません。でも、この作品にはコマの外の世界があります。それが素晴らしくて作品全体が一層濃くなっています。

 

私の文章力不足で上手く説明できないんですけど、大人の絵本を読んだことがある人は分かるはずです。そうです、あの独特な感じです。笑

 

まとめ

  • 絵は少し見づらいかもしれないが味はある
  • 読了感は映画に近く、世界観が絵本みたい
  • コマとコマの間や、1コマの情景描写が素晴らしい
  • けどやっぱりデリケートな作品ではあるため、万人におすすめはできない

全体を通しての評価で言えば星4つくらい。表現としては面白く作品には引き込まれましたが、やっぱり1巻完結の物足りなさはありました。

まあ、とか言いつつ1巻完結の良さも感じたんですけどね。笑

Amazonなどでは評価が分かれる作品だったので不安でしたが、すごく私好みで良かったです。でも、それはあくまで私の話。かなりクセの強い作品ではあるので読む人は選ぶかなと思います。

 

なので今回の作品は強くおすすめはできないです。気になった方は1巻完結ですので「試しに読むか」くらいの気持ちで読んでみてください。

それでは、今回はこんな感じで終わります。ではまた次回の記事で!

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