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ちーちゃんはちょっと足りない?本当にそうなのか【感想】

投稿日:2017年3月24日 更新日:

このマンガがすごい!2015でオンナ編1位に選ばれた作品なので知っている方は多いと思います。『ちーちゃんはちょっと足りない』

表紙だけ見ると日常系のコメディに見えますが、中身はかなりダークで後味が悪いです。

人々の劣等感などに焦点を当てた作品です。私自身、かなり考えさせられるところがあったので今回はこうして記事を書いているんですが、1つ注意があります。

それは、いつも通りには記事を書けないことです。実はこれを書く前に下書きとして3回ほど書いてました。でも、思い通りに書けない。

どうしても、ラフな文で書けないんです。本当はいつも通りの文体、構成の方が未読の方向けには良いんでしょうけど、書けないです。

 

なので、今回は完全に既読の方向けの記事になります。『ちーちゃんはちょっと足りない』に興味がある人は1冊で完結するので、一度読んでからこちらの記事に戻ってきてくれると嬉しいです。

 

そして、今回の記事では比較的固い文章になる気がします。どうしても深い漫画なのでそうなってしまいます。読みづらい箇所がいくつかあると思いますが、最後まで読んでくれるとありがたいです。

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ちーちゃんはちょっと足りないのか

タイトルは『ちーちゃんはちょっと足りない』。確かに作中でのちーちゃんは頭も良くなく、善悪の区別もつきません。でも、それは本当にちーちゃんだけが足りないものなのか。私は違うと思いました。

 

これは、ナツが自分に足りてないと思っているものなのではないかと。この漫画の主人公は確認のため書いておくとナツです。理由としては作中でただ一人”千恵”のことを”ちーちゃん”と呼んでいるから。

 

ナツはいつもちーちゃんと一緒にいます。それは、ちーちゃんと自分を重ねているから。周りが大人になっていく不安、勉強ができない不安、何かを欲している不安、それらを同じく足りないちーちゃんと共有することによって安心を得ようとしているんです。

 

つまり、漫画の世界でナツがちーちゃんに足りないと感じているものは自分自身が足りないと思い欲しているものなんです。そしてそれに本人は気付かず精神的均衡を取れていたんです。周りの世界が敵だとしても、ちーちゃんだけは同じく足りないんだと。

 

でも、それも終盤に崩れ去ります。そう、ある事件によって。

あの事件によって2人だけの秘密を新たに”共有”したナツとちーちゃん。

2人の繋がりはさらに強固なものになったかのように見えました。

でも、そこに藤岡さんが現れます。そして、ちーちゃんだけは金を盗ることがいけないことだと理解し、しっかりと謝ります。少し成長するんです。

 

でも、これがきっかけとなり、ナツはちーちゃんが自分を売ったと怪しむようになります。でもこの時点ではまだ少しの罪悪感がナツにもありました。それが完全に消えるのがラスト。藤岡さん、旭ちゃんとは決別し2人だけでいようと提案します。

 

もちろん、正しいのは藤岡さん、旭ちゃんです。でももうこの時点ではナツ視点で見た2人は一生分かち合えない人種なんです。そして、そのことを理解したのか、無垢なだけなのかナツを受け入れるちーちゃん。

そうして、「ちーちゃんはちょっと足りない」と思うことで安心するナツとちーちゃんの2人の世界は続くというエンドですね。

 

ちーちゃんは藤岡さん、旭ちゃんが正しいと気づきながらもナツの唯一的存在になってあげたかったからナツを受け入れたのか、それとも本当にどこか抜けたところがあり未だに善悪が分からないのか。それは本人にしかわかりません。

そしてこれが今作の最高の余韻ですよね。

 

このあともおそらく”足りなさ”を抱えながら2人は生きていくんでしょう。そして、その先はおそらく暗い未来です。ちーちゃんという純真さから生じた1つの悪。そして、それを止められず欲望に負けたナツもまた悪です。皮肉にも善悪を教えられたのは生みの親のちーちゃんです。ナツはまだ知りません。

 

この先にナツは知ることがあるのか。それを教えるのは藤岡さんや旭ちゃんなのか。

そんなことを読了後に考えさせられてしまいました。2人の未来が明るくなることをただただ祈ります。

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ナツにとって他人は眩しすぎたのか

この漫画では正義感が強く良い人と言えるまさに光のような人、そして劣等感に負け自己嫌悪が激しい闇のような人の2種類の人が出てきます。

旭ちゃんは前者、ナツは後者ですね。そしてちーちゃんはどちらにも染まっていないんです。

 

物語では主にナツ視点の闇が描かれています。最後も旭ちゃんを受け入れられずにいます。読者のみんなが分かる通り、圧倒的に正しいのは旭ちゃんなんです。でも、やっぱり自己嫌悪が激しいナツには眩しすぎるのか。ナツは自分には何かが足りないと思い欲していますが、本当に足りないものは近くにあるんです。旭ちゃんという光が。

それなのに自分で壁を作ってしまっています。

 

そして、自分で作った壁であるのにまるで相手が自分から遠のいたように感じています。

こういう人って現実にもかなりいますよね。一体なにが違うんですかね、どうしたら両者は仲良くできるんですかね。どこで何が違ったのか、考え方だけが違うのか、どちらが正しいなんてあるのか、そんなメッセージが漫画から聞こえました。

 

現代のスクールカースト、陰キャ、陽キャ、クラスのリーダー的存在と根暗なやつ、なにが違うんでしょう。そしてなんで2つは対立するのか。飛躍しすぎた感はありますが、この漫画を大きく捉えたらこうなるのかなと思います。

 

また読みたくなるんだろうなあ

1巻完結でここまで深い漫画ってなかなかないと思います。今回こうして記事を書いて思ったのは私はこの作品の1/10も理解できていないということ。

3回も書き直したのに結局この有様です。思ったことを文字に起こせないんです。

ここまで、記事を書きづらかった漫画は初めてで凄く驚いているんですが、またリベンジをしたいと思います。私自身、何度も読んで深いところまで味わいたい作品ですので、読むたびに少しずつ私の感想を追記していけたらなと思います。

 

そして、それと同時に文章力ですね。今のままでは圧倒的に足りないのでもっと記事を書いて鍛えます。いつかはこの漫画の書評を自分の思い通りに書けるまで。

最後は少し逸れてしまいましたが、今回はこんな感じで。いつもと違った記事になりましたが、最後まで読んでいただきありがとうございました。

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