漫画紹介 短編集

鬼頭莫宏の歴史を辿る短編集『残暑』を読んでみた。

投稿日:2017年7月1日 更新日:

あまりにもシンプルでどことなく哀愁を感じさせる表紙絵に惹かれて気づいたら手にとってしまっていました。今回紹介していくのは『鬼頭莫宏短編集 残暑』です。

 

鬼頭先生と言えば『なるたる』や『ぼくらの』で有名だと思うんですけど、今回私が読んだのは短編集です。1番古い作品で1987年、新しい作品で2004年とかなり幅があり、時代の変化も感じる作品ですが、何より鬼頭先生の作風の変化も感じられる作品です。

 

正直、私自身読み始めたときは記事にするほどでもないなと感じていました。でも、そんな考えは読み切った頃には嘘みたいに無くなっていました。本当に圧巻でした。

 

特に個人的には最後の短編集、いや最後の1ページが本当に好きだったので今回はより多くの人にこの素晴らしい作品を手にとってもらえるよう、紹介していきたいと思います。

 

そして、最初に言っておきますが、私は鬼頭先生の作品を読むのは今回が初めてです。そういった部分でも感じ方の違いがあるかとも思いますが、これから作品を読もうと思っている人の参考になれば嬉しいです。では、いきます!!

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短編集はどんな話?

まず、これが1番気になると思います。なので最初は軽く内容を紹介していこうと思います。とは言っても、書きすぎると実際に読むときの面白さが半減してしまうので、ここでは本当に軽く紹介していきます。

 

残暑…1987年 少年サンデー

死んだはずの妹が突然現れるという話。ストーリー的には良くある話で、オチも特に奇抜な感じはしないが、何とも言えない温かさに包まれた作品。個人的評価は星3.5くらい。

 

三丁目交差点電信柱の上の彼女…1994年 少年チャンピオン

見知らぬ少女を助けようとして交通事故で死んでしまった少年が地縛霊になってしまう。そして、少年はなぜか自分のことを見ることが出来る少女に出会う。そんな不思議な話。

 

まず、こんな作風の短編が少年チャンピオンで掲載されていたことに時代を感じましたが、そんなことはさておいて、最後の1文が凄すぎます。本当に文才が半端ないと思いました。

個人的評価は4.0。

 

華精荘に花を持って…2000年 アフタヌーン増刊

小学校時代にある約束をしてそれ以来会っていない女の子と同窓会で再会する話。これに関してはこれ以上書くとネタバレになりそうなんですけど、性の成長のお話です。別にいやらしい意味じゃなくて、普通に考えさせられる内容です。

 

これもラストの締め方が非常に良く、読了感は最高でした。個人的評価は4.0。

 

よごれたきれいな…2002年 アフタヌーン

親の自殺のことでいじめられている眉目秀麗の少女と、父親のクビが理由でいじめの標的となってしまった少年のお話。話としてはただそれだけの話なんですけど、行間に込められた思いが伝わってくるので何とも言えない読了感に襲われる作品でした。

個人的評価は3.5。

 

AとR…2002年 ヤングマガジンGT

小さい頃はバイクが好きだったが、大人になってバイクから離れた青年と、その青年との出会いでバイクが好きになった少女の話。大人になるにつれて失う子供らしさを取り戻す話。「年なんて関係ねえ」と言わんばかりのラストは本当に爽快です。個人的評価は4.0。

 

パパの歌…2003年 ヤングマガジン

お腹の中に新しい命を授かった夫婦のお話。じゃないんだ、本当は。だけど、この話に関してはこれ以上のネタバレが出来ないです。読めばわかります。いわゆる行間で語るという手法が際立った作品。ほっこりします。個人的評価は4.0。

 

ポチの場所…2004年 月刊「IKKI」

寄り道する少年にスポットを当てて人生とは何かを表現した作品。わずか30ページの短編だが、本当に深くて重い読了感に襲われる作品。素晴らしいの一言に尽きます。個人的評価は5.0。

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鬼頭莫宏短編集 残暑の面白さとは

行間に込められた思いが凄い!!

この漫画を語る上で、やはり1番最初に言いたいのはこれだと思う。ページとして見れば文字量も少なく、情報量は少ないんですけど、行間を読むとはまさにこのことです。

 

別に文字にしなくても伝わるものってあるじゃないですか。そういうものを表現するのが鬼頭先生は恐ろしく上手いです。必要最低限の語りしかいれないので、読みやすくまとまりもいいです。

 

もしかしたら、ここだけにスポットを当てるとこれまで読んできた漫画の中で1番かもしれないです。それくらい凄いと思いました。本当に綺麗な表現です。

 

ポチの場所のラスト1ページが本当に素晴らしすぎる!!

本当はもっと多くの魅力を書こうと思いましたが、あらすじ紹介でかなりの文量になってしまったこともあり、最後に、私が1番震えた短編『ポチの場所』について語りたいと思います。

 

あらすじでは、寄り道する少年にスポットを当て人生とは何かを表現した作品と書きましたが、これだけじゃイマイチ分からないですよね。でも、これ以上書くとネタバレになるので書きません。

 

なので、内容に触れず魅力を話したいんですけど、その素晴らしさはやっぱりラスト1ページです。これが本当に凄かった。1ページでここまでの鳥肌を与えた作品はなかなか無いと思います。私のストライクゾーンど真ん中をいくラストでした。

 

お気に入り度合いで言えば、おすすめ漫画10選に入っている村上かつら短編集と同じくらい好きでした。読了感とか表現の雰囲気も似ているしね。

 

正直、この短編を読むだけのために買っても良いレベルでした。私自身、『ポチの場所』を読むまでは記事にするか迷っていましたが、『ポチの場所』を読んですぐに書くことを決心しました。

 

本当にこの記事を読んでいる全ての人に読んでほしい。素晴らしいの一言に尽きる作品でした。

 

最後に

はい!今回は鬼頭莫宏短編集 残暑を読んでみた感想を書いてみました。前述したとおり、短編の純粋な面白さはもちろんなんですけど、それと絵柄の変化も楽しめる作品になっているので、鬼頭ファンも初見さんも是非読んでほしい作品になります。

 

特に、最後の『ポチの場所』については、本当に素晴らしいなと感じた作品なので多くの人に読んでもらいたい。

 

読了感がすっきりとする短編集を探している方は是非手にとってみてください。

それでは、今回はこんな感じで!また次回の記事でお会いしましょう、では!!

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