小池桂一『G』を読んでみた感想。そして、見えた世界とは。

素晴らしいの一言に尽きる。小池桂一先生は私にまた新たな世界を見せてくれました。これほど、私を夢中にさせる漫画家はこれまで、そしてこれから先も現れないと思います。

 

はい!というわけで、今回紹介していく漫画は小池桂一『G』になります。私が小池桂一という漫画家に出会ったのは『ウルトラヘヴン』が最初で、当時は「こんな漫画見たことねえ」となり、そこから大ファンになりました。

 

だが、小池桂一作品と言えばなかなか入手できないのが難点なんですよね。高い漫画ならプレミアがついて1冊1万くらいまではねます。そんな中でも入手しやすかったのが、今回の『G』です。

 

感想を簡単に言ってしまえば、「控えめに言って最高」でした。ネット上では賛否両論の評価が飛び交う作品ですが、私はあまりの感動に震え上がりました。『ウルトラヘヴン』と並ぶ面白さ、美しさでした。

 

というわけで、今回は『G』を読んでみた感想、そして軽く考察までしていきたいと思います。では、行きましょう!

スポンサーリンク

そもそも『G』ってどんな内容?

とは言っても、この記事を読んでいる人の中には、「まだ読んでない!」って人もいると思うので、まずはあらすじ紹介からしていきたいと思います。あらすじはこんな感じ!

死の草と呼ばれる植物を崇拝する民族・マウナイ。そこでは、死の草を見た者は死の草の精霊に導かれ”外の世界”に行くことが出来ると信じられている。ある日の暁、トマクは死の草の啓示を受ける。そして、その時トマクはブラックホールへと吸い込まれていく宇宙船の記憶を追体験する。トマクはあの時の記憶の真相、そして外の世界を目指して旅に出る。

なんか違う、いやだいぶ違うんですけど、言葉にするとしたらこんな感じかと思います。

実際の世界観は読んでみないと伝わらないと思います。SFよりは、民族文化、超次元現象にスポットを当てた感じですね。いや、本当はもっと壮大な何かなんですけど、言葉にできないです。

 

この漫画のあらすじを語るとすると、あらすじだけでとんでもない文字数いきそうなのでやめておきます。ということで、次は感想を書いていきます。

 

小池桂一『G』を読んでみた感想

とりあえず、画力がやはりキチガイレベル。

これは、『ウルトラヘヴン』を読んだことがある人は分かると思うんですけど、小池桂一先生の画力は半端じゃないです。もうね、頭オカシイとはまさにこのこと(2つの意味でね

 

言葉で言うより実際に見たほうが分かりやすいと思うので、まずはこちらをどうぞ。

もう、このレベルは画力が高いとかそういう次元じゃないです。ただのキチガイです。小池桂一作品はこのレベルの画力でずっと物語が描かれるので視覚的にも本当に飽きさせないです。もはや、芸術です。

 

また、ここでは初見の楽しみをなくさせてしまうので貼りませんが、小池桂一先生お得意の幻覚描写、トリップ描写が本作でも見られます。あれは本当にヤバいです。読んでいるこっちも酔いそうになります。トリップ描写を描かせたら右に出る漫画家はいないと思います。それくらい凄い。

 

読めば読むほど味が出るストーリー

実はこの漫画、どこを見てもあまり高い評価を受けていないです。これなんですけど、気持ちは分かります。というのも、この漫画、本当に理解できないんです。

 

内容が難しいのもそうなんですけど、話の展開が基本「俺について来れるかな」スタイルなので、一読で理解するのは不可能に近いと思います。私自身、無理でした。

 

で、多分なんですけど、この漫画に低評価をつけている人はそれが原因だと思います。確かに、今流行の分かりやすいパニックホラーとかと比べるとまあ正反対なんですよね。笑

 

漫画というよりは、そういう意味で哲学に近い書籍ですが、私は非常に楽しめました。しかも、1回目より2回目、2回目より3回目を読んだときの方がさらに。この時の自分の作品の感じ方が凄く面白かったので書いておきます。

  • 1回目読了:内容は全然理解できないが、圧倒的画力、そして世界観に感動し「この漫画家は誰も超えることが出来ない」と再確認する。
  • 2回目読了:おおまかな内容は理解できて、その構成、そして世界観の壮大さに感嘆する。一瞬、本気で自分が漫画の中にいると錯覚する。読了後には不思議と涙が出て来る。
  • 3回目読了:さらに理解が深まるが、やはり理解できない点が残る。が、それはそういうものだと悟る。人生観を揺さぶられる。さらにこの漫画の壮大さを痛感する。
ちなみにこれ。続けて3回読んでます。ノンストップで。「お前、頭オカシイだろ」と思うかもしれませんが、自分でもそう思います。

普通、読み返しってもっと感覚を空けるじゃないですか。私も普段は早くて1ヶ月です。

 

でも、この漫画だけはすぐに読み返したくなりました。トマクじゃないですけど、まるで漫画に誘われたかのように。そして、何回読んでも楽しめます。絶対に新たな発見があるんです。スルメ漫画とはまさにこの作品のことです。

 

人生観、価値観を揺さぶられる。

『ウルトラヘヴン』では唯物論的な概念が物語のテーマとしてあると思うんですけど、『G』では文化人類学など、民族に関する知見がテーマにあると思います。

 

そして、それが深すぎる。読み方によって、その人の歩んできた人生、見てきた世界によって読了感は変わると思うんですけど、私はこれまでの人生観を揺さぶられました。

 

「よし、今日から裸族になって進化で得た産物なんて捨てちまおう(あはははは」とはなりませんが、民族というものに対しては明らかに見方が変わった。ここでは、言葉として表現できないんですけど、とにかく深い(小並感

スポンサーリンク

小池桂一『G』を軽く考察

文章を書くことが得意ではないため、考察というものは凄く苦手なんですけど、これだけの作品に出会えたということで軽く考察をしていこうと思います。まずは、作中の世界の概念について。おそらくまとめるとこんな感じ。

  • マウナイと呼ばれる世界〜トマクたちが住む世界で物語の軸。現代世界とは次元が違うためか、普通は干渉できない。
  • 現代世界〜普通に現代の人々が住む世界。マウナイは今でも、原始インディゴなどに信じられており、伝説と思われている。こちらの世界がトマクたちが外の世界と呼ぶ世界である。
  • 夢世界〜宇宙船があることや、2062年の描写があることから見て未来世界。トマクが死の草を通して追体験した世界軸であり、トマクはラザロという人格になっている。

作中ではこの3つの世界が描かれていて、もともとは世界は1つであったと描かれています。その時に天災が起き、そこで死の草の精霊に導かれたのがトマクたちの先祖だと。

 

つまり、死の草が時空を超えるキーとなる存在になっています。それなら夢世界とは何なのか。これについては、私の力では理解できませんでした。トマクの人格、アゼベドの人格らしい人がいるので来世という説が1番濃さそうですが、同じタイミングでトマクとラザロの身体が浮いているのでパラレルワールドかも。

 

物語の最後は、トマクとアゼベドが現代世界にきたという終わり方ですね。1つの幕切れとしては面白かったですが、続きを読みたい気持ちもありますね。まあ、このレベルで展開されるとさらについていけない人が続出しそうですが。笑

 

と、まあ軽い考察なんでこの辺でやめておきますが、また読み返して濃い考察が書けそうであれば、また記事にするのでその時は読んでくれたら嬉しいです。

 

最後に

はい!では、今回は小池桂一『G』の感想、考察を書いてみました。結論としては「やっぱり小池桂一は越えれない」という結果ですね。

 

おそらく、漫画好きには「この漫画家は誰も越えれない」というのがあると思うんですけど、私にとってのそれが”小池桂一”先生のようです。ただ、1つ大好きであるがゆえに言わせてほしい。漫画書いてくれませんか…(震え声

 

『ウルトラヘヴン』は3巻が刊行されてから8年間、新刊が出てませんが、『G』は完結しているのでご安心を。4巻が読みたいだけの人生だった(チーン

lifeさん
ウルトラヘヴンの紹介はこちらです!未読の方は是非!!
スポンサーリンク

ABOUTこの記事をかいた人

life

北海道在住のただの漫画好き。読んできた漫画の数はおそらく4桁。 Twitterをやっていますが、7割サイトと関係ない戯言をつぶやいています。 わたしのことをもっと知りたい方はフォローよろしくお願いします。(そんな人いません